学生file.04
アメリカのビジネススクールで身についたのは、幅広い尺度で国際ビジネスを理解する視点
商学部4年 藤本 省吾さん
入学後の準備・スタートでも長期留学は実現できる!
海外派遣留学制度を利用して、アメリカ、ミネソタ大学のビジネススクールに約1年間通いました。
大学時代に何かしら「やり遂げた」と思えることをしたいと考え、長期の留学を決意したのは1年次の後期から。それまで留学経験はなく、TOEFL iBT 60点台からのスタートでした。そこで、まず足がかりとして、大学2年次に一橋大学のプログラムを利用してカリフォルニア大学デーヴィス校での1か月間の語学研修に参加。このとき、アメリカの大学生活のイメージをおおよそつかむことができました。
新たな指標となるフレームワークと出合う
数ある選択肢の中からミネソタ大学を選んだのは全米でも評価の高いビジネススクールがあったから。現地ではほぼ9割がビジネス専攻のアメリカ人学生という環境で正規科目を履修しました。
最も印象に残っているのは国際経営の授業です。これは日本の大学のゼミナールのような形式で、クラスは4年生のみの約30人。内容は実際のビジネスモデルを用いたケーススタディでした。テーマは「アメリカ企業と日本企業の経営手法の違い」「アメリカの大手アミューズメントパークがフランスで苦戦している理由の分析」など。グループごとに考えを発表し、ディスカッションにつなげます。その際、教授から課題として、「フレームワーク」が提示されます。これはビジネスにおける指標のようなもので、有名なものではCAGE(ケイジ)分析があります。これは、Culture(文化的)、Administrative(制度的)、Geographical(地理的)、Economic(経済的)の4側面の差異で新しいビジネスがその国やエリアにマッチしているか分析するもの。授業ではこの4指標を具体的な事例に当てはめていくわけです。ビジネススクールの授業はこのように実社会とのつながりを非常に重視している印象を受けました。

これが寮の私たちの部屋。左がルームメイト、右は同じフロアにいた友人です。
英語力については留学当初こそ、リスニングで苦労しましたが、1か月くらいでほぼ授業に順応できました。語学研修を経験していたことで、最低限何をすべきかという心構えができていたのだと思います。また、日本語であらかじめ学んでいた経営学のバックグラウンドが予想以上に役立ちました。特に日本の商習慣や最新のビジネスモデルに興味を持ってくれるアメリカ人学生が多く、自分から発信できる絶好の材料になりました。
仲間から評価される英語以外の何かが必要
語学で苦労したからこそ、あえて言うのですが、留学で必要なのは決して高い英語力ではありません。異文化の中でも周りの仲間から評価される自分にしかない何かを持っていることこそが大切。私にとっては、一橋大学のゼミで叩き込まれた知識が海外でも通用したわけです。

アジアからの交換留学生とのバーベキューを楽しみました。
帰国後、日本の化学メーカーの国際戦略についての論文を書くため、さまざまなリサーチを行っています。その際、役立っているのがビジネススクールで学んだフレームワークです。幅広い尺度でモノを考えられるようになったのは留学のおかげ。世界中の人々がアメリカのビジネススクールで学ぼうとする理由の一端を見た気がします。就職活動を経て、卒業後は金融関係の企業で働くことが決まっています。もちろん希望はグローバルビジネスに携わる仕事をすること。日本のメーカー企業の国際競争力を高めるために、少しでも貢献できる人材になるのが今の自分の目標であり、モチベーションになっています。
出典:「Global化に挑戦する大学No.2」/ 株式会社アネスタ