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留学で得た知識とスキルが帰国後の大学の学びにスムーズにつながるプログラム

経済学部4年 江藤 眞吾さん

経済学部4年 江藤 眞吾さん
教授も学生もアクティブにコミュニケーションをとる……。これが北米の現地学生と一緒に授業を受けたときの率直な印象です。わからないことがあれば、すぐに質問。そこから教授が話題を広げ、ディスカッションに発展することもあります。授業は1クラス40人程度の少人数制がメイン。現地の学生が学んできた環境を体験できたのは貴重でした。

 

英語論文を30本以上読破、読み方のコツがつかめた

海外派遣留学制度を利用して、カナダ、バンクーバーにあるブリティッシュ・コロンビア大学に留学しました。期間は3年次の8月から8か月間。現地では、開発経済学や国際貿易、中国語など幅広い科目を履修しました。

最も力を入れたのは、もともと興味があった開発経済学の授業です。まず、驚いたのは教科書がないこと。毎回、クラス全員が課題となる論文を読み込んでから授業に臨み、その内容について議論したり、教授の解説を聞いたりします。英語の論文を読むなんてもちろん初めて。リスニングだけでも大変なのに、毎晩遅くまで論文を読み込む苦労は相当なもの。大学に入って、このときがいちばん勉強したのではないでしょうか(笑)。

結局、留学中に開発経済学関連の論文を30〜40本読みました。そこで痛感したのは、海外の学生は論文作成にあたり、かなり高度な論理性を求められているということ。Webサイトで調べたうわべだけの情報など到底通用しません。正確な数値に基づいたデータで主張を裏づける必要があります。さすがに30本近くの英語論文を読み込んでいくと、書き方や読解のポイントがわかってきます。これは、日本にいては絶対にできない経験だったと思います。

ブリティッシュ・コロンビア大学の図書館。ここでいつも遅くまで勉強しました。

ブリティッシュ・コロンビア大学の図書館。ここでいつも遅くまで勉強しました。

 

現地では、韓国や中国の留学生とも仲よくなり、彼らの上昇志向から大いに刺激を受けました。「絶対に成功する!」と言い切る彼らの姿に潔さを感じましたね。また、韓国人の友人とは、領土問題や歴史認識の違いについてニュートラルに話し合うことができ、お互いの国のことを違う視点で理解できた気がします。

言語の壁を越えて幅広い情報源に目が届く

4年生になった直後の5月に帰国して、今はゼミナールのグループプロジェクトに力を入れています。テーマは「貿易が経済成長に及ぼす影響」。金銭的な利益だけでなく、その取引がお互いの国の経済成長をどれだけ促進するのか数値で表す基準を模索中です。ここで留学経験が大いに役立っています。リサーチをする際の先行論文はほとんどが英語なので、言語の壁を越えて幅広い情報源に目が届くのは大きなアドバンテージになります。このプロジェクトは最終的に韓国の大学との合同発表会を控えているので、英語での発表にも挑戦することになります。

後輩に留学の魅力を伝える活動にも力を入れていく

就職活動は来年、つまり2度目の4年次にする予定です。海外派遣留学制度は、留学中の授業料を助成してもらえるので、4年間の学費で5年間学べるわけです。海外の大学は学費が高いので、この制度は費用面のメリットも大きいですね。

将来は海外のパートナーとがっちりタッグを組んで進める仕事をやってみたい。具体的にはエネルギー関連企業や商社の仕事に興味があります。就職活動に向けて、先日は外資系メーカーでのインターンシップにも参加しました。また、一橋大学派遣交換留学生の会HEPSAの会合を通じて、後輩に留学の魅力を伝える活動にも力を入れていくつもりです。

大学のスポーツイベントに参加したときの様子。アジア系の学生が多いです。

大学のスポーツイベントに参加したときの様子。アジア系の学生が多いです。

 

出典:「Global化に挑戦する大学No.2」/ 株式会社アネスタ